石鹸はなぜ汚れが落ちるのか?石鹸の性質からわかる働き。

石鹸の汚れが落ちる理由

「石けん」はなぜ汚れを落とすことができるのでしょうか?

簡潔に言えば石けんは「水」と「油」の両方になじむ性質を持っているからです。

「両方になじむ性質」というのは「界面活性剤」という言葉が関係してきます。「界面活性剤」という言葉、なんとなく聞いたことがありませんか?

石鹸の持つ性質などから「界面活性剤」とは何か?「石けん」で汚れが落ちるその理由を解説していきます。

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石けんは「水」と「油」両方になじむ性質を持つ

水と油の関係

石けんに関係する水と油って何を差すの?

石けんに関係する水と油。人が石けんを使う理由は「汚れを落とす」ことです。石けんを使用するときには「水」を使用しますよね。では「汚れ」とは何を差すのでしょうか?

その「汚れ」とは何なのか?と考えると、例えば手を洗う時は、皮膚に付着したホコリなど、顔を洗う時は皮脂や汗などがありますね。

石鹸で落とす汚れ

水で洗うだけで洗い流せるものもありますが、汚れは水だけでは綺麗に落ちません。なぜ落ちないのか?それは人の持つ「皮脂(ひし)」が関係しています。

「皮脂」というのは文字の通り「脂(あぶら)=油」だからです。

油は水だけではなかなか落とすことができません。

例えば料理の油汚れ。

水だけで洗い流せますか?洗剤を使用しなければベタベタなままです。

油は水だけでは洗い流せませんが、同じ「あぶら」でも油と皮脂は「油」と「脂」。漢字が違います。2つは同じ意味を持つ「あぶら」なのでしょうか?

「脂」と「油」は意味的には同じです。「油脂(ゆし)」とも言いますが、対象になるものの呼び名が違います。

2つの「あぶら」を比較
2つの違いを比較

油=「液体」

「油」は液体のあぶらを差します。

脂=「固体」

「脂」は固体のあぶらを差します。

料理などに使う

サラダ油、ごま油など

体のあぶら

脂肪、牛脂など

基本的に動物の肉の中にある脂肪や人から出る脂肪を含んだ分泌物は固体である「脂」を差します。料理で使うサラダ油やごま油などは液体なので「油」と言いますよね?

このことから「脂」と「油」は同じということがわかります。

皮脂=油」なので、水だけではなかなか落とすことはできないのです。

水と油は混ざり合わない?「水と油」の意味とは?

なぜ水だけで油を落とすことができないのでしょうか?

「水と油」ということわざを聞いたことはありませんか?

ことわざ「水と油」の意味とは?

お互いの相性が合わず反発してしまい仲が悪いこと。異質で溶けあわないもののたとえ。

科学的には「水と油」は決して交じり合いません。性質上、油が水をはじいてしまうからです。

仲はサイアク
落ち込むあわーる

このことからこの「水と油」という「ことわざ」が生まれたのではないかと考えられています。

例えば「水」と「油」を一緒にコップに入れたとします。

コップの中身をどんなにかき混ぜても、時間がたつと「油が上」「水が下」というように2つは分離してしまうのです。

コップに入った水に油を入れる

このように「水と油」は混ざり合わないのです。

水と油が分離する原因は、お互いの性質の違いが関係しています。

「水」というのは、目には見えない小さな水の粒子(分子)同士がお互いに引き合って集まったものです。また、油も油の分子同士がおたがいに引き合って集まっています。


水と油が混ざらない原因は水と油、それぞれを作っている粒子(分子)に「電気的な性質の違い」があり、反発し合うからです。

水と油は反発しあう

この分子同士が引き合って表面をできるだけ小さくしようとする力を「表面張力」と言います。

水の持つ「表面張力」とは何か?

水の持つ「表面張力」という力は私たちの身近にあり、よく目にするものなんです。

身近にある表面張力

・コップにギリギリまで水を入れても水は溢れない。
・植物に水をあげると、葉っぱに残った水は丸くなる。
・洗面台やお風呂についた丸い水滴。

子供の頃、コップに沢山のジュースを入れてそーっとテーブルに持って行った経験はありませんか?ギリギリまで入れても、慎重に運べばこぼれないというのはとても不思議ですよね。

他にも、植物に水をあげると葉っぱに残った水は丸くなります。これは顔を洗った後など、洗面台やお風呂で「丸い水滴」がたくさんつくのと同じ現象です。

もこ
もこ

へぇー確かにそうだね!面白い

このことが起きる原因はすべて、水が持っている「表面張力」の力です。

あわーる
あわーる

泡やシャボン玉ができるのも「表面張力」が関係してるよ

表面張力の性質にはこのような性質があります

表面張力の性質

表面張力が同じような大きさの液体はまざりやすい

水は水の分子がもつ化学的な性質によって、「水の表面張力」は大きくなっています。

「水と油」の場合、水の表面張力は油の表面張力よりもかなり大きくて差があるため、水と油はまざりあわないのです。

水と油の表面張力

「油が上」で「水が下」になって分離するのは、油の密度が水の密度よりも小さいからです。つまり、油が水よりも軽いためです。

テーブルに置いてあるキッチンスケール

このように電気的な性質の違いや、表面張力の大きさの違いにより「水と油」はまざらないのです。

★水と油の関係まとめ ・油と脂は意味的には同じ。
・水と油が混ざらないのは分子同士が反発し合うから。
・水と油が分離するのは油の方が軽いから。

石鹸=界面活性剤。石鹸の「性質」について

石鹸の性質について

界面活性剤」という言葉を聞いたことがありませんか?

石鹸は「界面活性剤」です。界面活性剤というのは石鹸の持つ性質に深く関わってきます。石鹸の性質についてご説明します。

石鹸の性質①

石鹸は「親油基(しんゆき)」と「親水基(しんすいき)」という原子のかたまりでできています。

親油基(しんゆき)
油によくなじむ部分。汚れを取り囲む。
親水基(しんすいき)
水によくなじむ部分。汚れを浮かび上がらせる。

水だけでは落ちにくかった汚れ(油)は、石鹸を使うと、汚れによくなじむ部分の「親油基」が汚れを取り囲み、水によくなじむ部分の「親水基」が汚れを浮かび上がらせます。

石鹸は「水と油」の混ざらない2つの物質の仲立ちをして油を水に溶けこむようにしているのです

石鹸の性質②

「水と空気」や「水と油」の境界面を界面といいます。石鹸はこの界面に働きかけて「界面」の性質を変える働きをします。

「水と油」で考えると、水と皮脂などの汚れの間(界面)に働きかけ、洗浄作用などの生活に役立つ作用を起こす性質を持っています。

①と②を持つものを界面活性剤と呼ぶ。

こうした石けんに代表される洗剤の性質を持つものを「界面活性剤」と言います。

界面活性剤には沢山の種類があります。石鹸などの洗剤の他に、食品などお菓子をつくる時に使われる乳化剤、マヨネーズの中に含まれるレシチンなども界面活性剤と呼ばれます。

例としてマヨネーズの場合は、卵黄に含まれている成分(レシチン)が「界面活性剤」として油分と水分(酢)を結び付けています。

★石鹸の性質まとめ 1、水と油の両方の性質を持つ。
2、汚れを落とす洗浄作用に役立つ。
2つの性質を持つものは「界面活性剤」と呼ばれる。

泡やシャボン玉ができる理由は石鹸の性質にある

シャボン玉ができる理由

水の表面には「表面張力」という力が働いています。

水をかき混ぜたり、ストローで息を吹き込むと、水中に気泡ができます。泡は水の表面に浮き上がってくるとすぐに消えてしまいます。これは、水が丸くなろうとする表面張力の力が強く働くからです。

表面張力で水の中の泡が割れる

石鹸を水に溶かすと、水の持つ表面張力の力は弱くなります。水が丸くなろうとする力が弱まるため、水は丸くなりにくくなり、「水の表面積」は大きくなります。

・水は丸くならず拡がりやすくなり、泡ができやすくなる。
・泡の表面に石けん分子が規則正しく並ぶので泡を長持ちさせることができる。

石鹸水は泡ができやすい

石鹸を水に溶かすことで、水の薄い膜(泡の膜)を作りやすくし、シャボン玉のような「気泡」として空中を浮遊することができるのです。

石けんの性質まとめ

固形石鹸のシャンプー
  • 石けん=界面活性剤
  • 界面活性剤は汚れを落とすことができる性質をもつ。
  • 界面活性剤は仲の悪い「水と油」の関係を良くし汚れを落としやすくしてくれる。

今回は石けんの性質についてご紹介しました。

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