「純石鹸」という言葉を聞いたことがありますか?
肌に優しい石鹸、添加物が含まれていない石鹸。
石鹸についてくわしく教えてくれるほとんどのサイトには、純石鹸は規格で定められていますと書かれています。
このような説明だけで純石鹸の規格についての詳しい説明はほとんどない気がします。
純石鹸について調べたのですが、そもそも「純石鹸」というのは石鹸の種類を示す言葉ではないということがわかりました。正確に言えば純石鹸という言葉はありません。辞書で調べても出てきません。
無添加石鹸のように純石鹸という石鹸があるのかと思いきや、そんな言葉は存在しないのです。
じゃあなんでみんな純石鹸って言葉を使ってるんだろう…?
では純石鹸の本来の意味とはなんなのか?
純石鹸の規格
わかりやすく言えば、商品に定められた基準のことです。
石鹸で言えばJIS規格という規格に定められていて、作り方、特徴、成分の量などの標準が決められています。また、名称や生産者などを商品のパッケージに記載するということも決められています。
これらを守れば安全性が確認されているということになるので、「石鹸である」と商品に表示することができるんですね。
石鹸の規格、純せっけん分
石鹸の規格は水分量など詳細に、この成分はこのくらいでという基準が定められていますが、今回は純せっけん分だけに着目します。
そもそも「純せっけん分」というのは純石鹸率とも呼ばれ、石鹸から水分を差し引いた重量に対する石鹸の割合のことです。
文字通り、他の成分が含まれていない「純粋な石鹸の成分」ということです。
石鹸の中には、石鹸に変化せずに残った原料油脂(不鹸化成分)やグリセリンなどが含まれるので、純石けん分100%と表示される商品はなく、純石けん分98%の石けんが、最も純石鹸率の高い商品と言えるのです。
そのため、正式に定められた言葉ではありませんが、「純せっけん分が98%以上の石鹸(意味合い的には100%のこと)」が一般的には「純石鹸」と呼ばれる風潮になっています。
無添加石鹸という商品は世の中に出回っていますが、純石鹸という商品はあまり見たことがありませんよね?
まだ世間的にも純石鹸という言葉は一般化して広まっていませんので、このような風潮が更に広まっていけば、無添加石鹸のように「純石鹸」をという名のついた商品が多く販売されるかもしれません。
・純石鹸分100%の石鹸は存在しない。
・純石鹸分98%以上が純石鹸率の最も高い石鹸。
・純粋な石鹸分が98%以上の石鹸を「純石鹸」と呼ぶ風潮がある。
純石鹸の良さ
石鹸の規格や、肌に良いと言われる理由、無添加石鹸との違いも詳しく解説しています。
化粧石鹸の規格
顔や体に使える石鹸は「化粧石鹸」と言います。
化粧石鹸のJIS規格は「純せっけん分が93%以上」のものと定められています。
元々は95%以上の物が化粧石鹸の規格だったのですが、消費者のニーズに応えるように、より香りや泡立ちの良いものなどが作られるようになりました。そのため95%以下の規格外の石鹸が多くなり、標準の規格が変わりました。
化粧石鹸の規格は純せっけん分が「93%以上」のもの。
純石鹸の規格
自分は純石鹸の正式な規格はないと考えます。
石鹸について解説しているサイトでは「純石鹸は規格により定められています」と解説されています。
純石鹸とは「脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムが98%以上のもの」
このように記載されています。確認のためにJIS規格を調べてみたのですが、この文面で正式に定められた規格は見つけられませんでした。
非常に難しい話なのですが、石鹸の作り方の基準も規格で定められているんですよね。
その作り方でできた純せっけん分(脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウム)が98%以上(意味合い的には100%)のものは、純粋な石鹸分のみの成分でできていると規格を通して言えます。
石けん成分のみでできている石鹸(純石鹸分が98%以上)を純石鹸と呼ぶ風潮にあるので、これらをわかりやすくまとめたのかなと考えます。
ねぇねぇ脂肪酸ナトリウムって何?
「脂肪酸ナトリウムと脂肪酸カリウム」というのは石鹸の成分名です。ナトリウムとカリウム2つの種類があるのは、石鹸が固体であるか、液体であるかということです。
脂肪酸ナトリウムというのは固形石鹸のことで、石鹸の原料となる天然油脂と「水酸化ナトリウム」というアルカリ成分を反応させてつくられたものです。
同じように脂肪酸カリウムは液体石鹸のことで、原料と水酸化カリウムを反応させてつくります。
【参考記事】石鹸について詳しく知りたい方はこちらもおすすめ!
・脂肪酸ナトリウム=固形石鹸
・脂肪酸カリウム=液体石鹸
純石鹸が肌に良い理由
化粧石鹸の規格は純石鹸分だけに着目すると、純石鹸分が93%以上含まれていなければなりません。
一般的には残りの7%の中に良い香りの成分や泡立ちを良くする成分、保湿成分などが添加物として添加されます。
なんだ7%しか入っていないのか
このように思うかもしれませんが、このたった7%の添加物で肌トラブルが起きてしまう方がいることも事実なのです。
添加物の含まれていない石鹸は純石鹸分が98%以上の石鹸ですので、添加物が一切含まれていないため、肌に刺激のある成分などがなく、製法的にも天然の保湿成分が残る製法で作られるので、「肌に優しい」と言われる理由となっています。
純石鹸と無添加石鹸との違い
無添加石鹸は添加物が無添加である石鹸のことなのですが、無添加の定義は正式には定められておらず、添加物が含まれていても一種類の成分が無添加であれば、「無添加」だと言えるのです。
肌に良い石鹸見分けるには、自分の目で含まれている成分を確認しなければならないのです。
石鹸に関しては「無添加」と商品のパッケージに記載されている場合、ほぼ純石鹸に近い石鹸であることが多いので安心はできます。確信を持つためにも成分は必ず確認しましょう。
また、石鹸以外の洗剤、シャンプーや洗濯洗剤などは気をつけなければなりません。
とはいえ最近の商品は「一部無添加」と記載してある商品も販売されているので、わかりやすくはなっていると思います。
商品のパッケージ、成分表を必ず確認!
純石鹸の見分け方
沢山販売されている石鹸の中から純石鹸を見つけ出すにはどうすればいいのか?
純石鹸を見極める方法を解説しています。
表示
純石鹸は正式にある石鹸の種類ではないと言いましたね。そのため商品には「純石鹸」という表示は記載されていないので成分を見て判断しなければなりません。
「純石鹸分が98%以上の石鹸である」ということが分かれば純石鹸であると言えるのです。
店頭で購入する場合は商品のパッケージを必ず見ましょう。通販の場合も成分表示がきちんとされているものを選び、必ず成分表やパッケージを確認しましょう。
基本的にはこのように記載されているものは石鹸成分のみの石鹸だと言えます。
・石ケン素地またはカリ石ケン素地100%
・純石けん分98%以上
・脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム98%以上
パッケージをよく見てみると「石けん素地100%」や「脂肪酸ナトリウム98%」などと記載されています。
単純に石鹸素地と水だけなど、含まれている成分が少ないものが純石鹸に近いということも言えます。
脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムは表示名は違いますが、石鹸の正式な成分名なので純石鹸分のことですね。
製法
石鹸の製造過程には2つの製法があります。
機械でつくられる「中和法」と職人さんの手作りで作られる「ケン化法(釜炊き)」があります。
中和法で作られる機械練り石鹸の場合は、添加物が加えられていることが多く、あらかじめ原料の油脂に化学物質を添加しておくと、成分表には添加物ではなく「石鹸素地」として表示されるため、パッケージの成分表示からは添加物が入っているかどうかはわかりません。
そのため、合成の界面活性剤が含まれていることも少なくはないのです。
純石鹸はケン化製法または「釜炊き製法」といいますが、手間暇のかかる釜炊き製法で作られることが多いです。
釜炊き製法でも保湿成分や香料などが添加されている石鹸もありますが、釜炊き製法を採用しているメーカーは肌に優しい石鹸を作っているんだという認識ができますね。
パッケージに「釜炊き」と記載されていることもあります。
・純石鹸は純粋な石けん成分のみ。添加物なし!
・パッケージや成分表を必ず見て見分ける!
・石ケン素地100%、純石鹸分98%、脂肪酸ナトリウム98%など
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